低脂肪な食事を実践した人々はどう変わったか? 過去35年間、栄養に関する専門家たちは人々に食事から脂質を減らせとアドバイスしてきた。 このアドバイスの由来は、食に関する国家目標として 「脂質の摂取を減らし、炭水化物の摂取を増やせ。」 というアメリカ合衆国元上院議員George McGovernの指導にある。 これを真に受けたアメリカ国民の肥満率は過去最高に達した。 Brigham and Women's HospitalとHarvard Universityが蓄積されていた、低脂肪食に関する研究から53個の研究をランダムで選び、長期間の減量効果を分析してまとめた。 その結果、 低脂肪食は、脂質をしっかりと摂る食事よりも減量効果がないことが分かった。 脂質は長い間、悪者として扱われてきた。 しかしそれには科学的な事実ではなく、政治的な事情を考慮しているという背景がある。 脂質には身体の中で代えのきかない重要な役割がある。 脂質を摂らないと人間は生きていくことができない。 また、“美”にも密接に関係している。 体脂肪を燃やす手助けもしてくれる。 良質な油を知ることはあなたにとって計り知れないメリットがあるということを覚えておいてほしい。 (参考 The Lancet Diabetes & Endocrinology, 3: 968-979,2015)